初心者がレンタカーを借りるときの注意点とレンタカー運転のコツ
「自家用車を持っていないけれど、車で出かけたい」という人には、レンタカーがおすすめです。
しかし、これまでレンタカーを利用したことがない人には「初心者でも借りられるのか」「どのように借りればいいのか」など、わからないことも多いでしょう。
そこで今回は、レンタカーをまだ借りたことのない人に向けて、初心者がレンタカーを借りるときに知っておくと便利な情報をご紹介します。
レンタカーは初心者でも借りられる?
今度友人とレンタカーを借りて旅行をする計画を立てているのですが、免許を取得したばかりでも利用できるのでしょうか?
どこで借りるかにもよりますが、基本的には大丈夫ですよ。「免許取り立ての人は絶対にお断り」というレンタカー会社はほとんどありません。ただ、運転歴の浅い人や年齢によって制限が設けられていることはあります。
良かった、借りることはできるんですね。どんな制限があるんですか?
レンタカー会社によって異なりますが、例を挙げると、「免許取得後1年未満のドライバーには免許取得後3年以上のドライバーが同乗しなければならない」「未成年のドライバーにはレンタルできない」といったケースがあります。
やっぱり初心者が借りるとなると、不便ですね。でも、一緒に行く友人は運転歴1年以上なので、とりあえずその人に借りてもらえば簡単に手続きができそうです。
もしかして「初心者でも黙っていればわからないから、交代して運転しよう」なんて考えていませんか?レンタカーを借りるときは誰の名義で借りるにしても、運転予定者全員の運転免許証の提示が必要です。初心者に制限があるからといって、借りるときに免許証を提示せずに後でこっそり運転してはダメですよ。
そういうルールなんですね。レンタカーを初めて利用するので、知りませんでした。
レンタカー会社は一つではありません。旅行で行くようなところには、いくつか店舗がある場合が多いですし、都合が合わないときは、借りやすいレンタカー会社を選びましょう。ルールを無視して無理矢理借りるのはNGです。初心者は保険や補償が制限されることもあるので、慎重に借りてくださいね。
レンタカーの保険や補償に制限があると、どんな問題があるんですか?
簡単に説明すると、事故を起こしたときの免責額などを自分で負担することになるおそれがあります。もちろん、事故を起こせば、レンタル時の名義人やレンタカー会社、事故の相手にも迷惑をかけることになります。
自分で負担するのは怖いですね……少し軽く考えていました。旅先の慣れない道で慣れない車を運転するのだから、慎重にならないといけませんよね。ほかにも気をつけることはありますか?
初心者がレンタカーを借りる際に忘れないでほしいのが「若葉マーク」です。レンタカー会社で借りられることもありますが、いつも店鋪にあるとは限りません。持参するか、予約のときに借りられるかどうかを確認しておきましょう。
わかりました。でも、業者によって条件が違うとなると、どこで借りるのが良いのか悩んでしまいます。初心者でも借りやすいレンタカー会社はありますか?
では、レンタカー会社ごとに異なる条件などを詳しく見ていきましょう。
レンタカー会社による対応の違い
免許を取りたての場合、自分でレンタカーを借りたことがあるという人は少ないのではないでしょうか?まずは、レンタカーの基礎知識を知っておきましょう。
<制限なし>オリックスレンタカーの場合
免許取得直後の初心者でも利用可能で、年齢制限もありません。初心者やペーパードライバーなど、運転に自信がない人のために、任意加入の補償が2つ用意されています。
初心者マークは自分で用意して、車体の見えやすい位置に掲示しましょう。
<制限なし>タイムズカー レンタルの場合
免許取得後の年数、月数の制限なく利用できます。
加入料を支払えば、標準の車両補償には含まれない範囲をカバーするほか、ロードサービス付きの補償制度もあるので、初心者でも安心です。
<条件・制限あり>トヨタレンタカーの場合
原則的には免許取得直後の初心者でも利用可能ですが、一部店舗によっては年齢制限を設けているところもあります。若葉マークは有料で貸し出している店鋪と取り扱っていない店舗があるので、利用店舗に確認しましょう。
<条件・制限あり>ニッポンレンタカーの場合
下記の制限、制約が設けられている場合があります。ただし、店舗によって利用条件は変わってくるので、詳細は問い合わせて確認しましょう。
・運転者が免許取得後1年未満の場合、免許取得後3年以上の経験者の同乗が必要。
・免許取得後1年未満または満21歳未満の運転者は、免責補償制度(CDW ※)に加入できない。
・免許取得後1年未満または満21歳未満の運転者や、運転になれていない人がいる場合、貸渡し時に事故防止のチェックポイントの説明と安全運転のアドバイスが行われる。
・乗用車のクラスによって、レンタルできない車種がある(年齢が25歳以上で、免許取得後3年以上経過が貸渡しの条件となる)。
※免責補償制度(CDW)
車両・対物事故免責額補償制度ともいわれます。事故で車両、対物に損害を与えた場合の賠償において、加入者の負担額を免除する補償制度です。
<条件・制限あり>日産レンタカーの場合
地域や店舗によって条件は異なります。免許取得後1年未満の運転者は、免許取得後3年以上の経験者の同乗が必要になるケースや、免責補償制度などに加入できないケースがありますので、事前確認が必須です。
若葉マークは店鋪で貸し出しを行っていますが、数に制限があるので予約時にレンタル可能かどうかを問い合わせましょう。
<条件・制限あり>ニコニコレンタカーの場合
免許取得後3カ月未満の場合、免許取得後3年以上が経過している人の同乗が貸渡しの条件となります。
また、免許取得後1年未満の場合は、免責補償制度(CDW)への加入ができません。
レンタカー会社によって初心者に貸渡しを行う際の条件や対応にはかなり幅があります。レンタル料金やオプション料金、その他の条件も併せて考えて、自分たちの都合に合うところを選んで利用しましょう。
初心者が押さえておきたいレンタカーの基礎知識
免許を取りたての人にとっては、レンタカーの利用も慣れないことばかりです。
レンタカー利用の基礎知識についても知っておきましょう。
レンタカーの相場はどれくらい?
レンタカーの利用料金は、車種や車のクラス(大きさ)、借りる期間によって異なります。
また、雪道の必須アイテムであるチェーンやスタッドレスタイヤなど、オプションをつけた場合は、車のレンタル料に追加して料金がかかります。チャイルドシートもオプションの一つです。
レンタカー会社によっては、Webサイトからの会員登録やオンライン予約の利用で割引してもらえることもあります。
利用料金の支払いは、Web決済やクレジットカードでの先払い(貸渡し時に払う)の会社がほとんどです。
高速道路を使う予定なら
高速道路を走る予定なら、ETCがついている車を指定して予約するのがベターです。オプション料金がかかるかどうかは予約時に確認しましょう。挿入するETCカードは原則自分で用意しますが、レンタカー会社によっては料金を支払えば借りることもできます。
返却時の注意点は?
車を返却する前には、営業所の近くでガソリンを満タンにしてください。ガソリンスタンドのレシートを提示しなければならない場合もあるので、必ず受け取りましょう。給油しないで返却すると、走行距離などから燃料代を精算することになります。実際のガソリン代よりも高い料金を支払うケースもあるので、注意が必要です。
また、返却前の給油時には、ガソリンメーターのE(空)とF(満タン)の間にある横向きの三角マークに注意しましょう。三角形の頂点は、給油口の方向を示しています。覚えておくと、ガソリンスタンドでもスムーズに給油ができます。
レンタカーを借りるときの手順
レンタカーを借りる手順について、予約の仕方からご紹介します。
あらかじめ一通りの手順を知っておくと、利用する際もスムーズです。
予約
利用日当日に営業所でレンタカーを申し込もうと思っても、使いたい車が空いていないことがあります。そのため、レンタカーを利用する際は電話やインターネットでの事前予約が基本と考えましょう。運転し慣れたクラスの車や車種を選んで借りたほうが安心です。
予約の時点で初心者であることを伝えると、条件などについての説明があります。
なお、キャンセルする場合、乗車日までの日数によってはキャンセル料が発生します。
保険に加入
レンタカーを利用する際には、保険や補償制度に加入することになります。選択できる場合は対物補償が無制限のものを選びましょう。
また、CDWにも加入することをおすすめします。CDWに加入していないと、事故を起こしたときに損害補償の免責分で、最大10万円程度の支払い義務が生じることがあります。
NOC(ノンオペレーションチャージ)補償制度にも加入しておくと良いでしょう。ドライバーの不注意などが原因で、レンタカー会社が一定期間レンタカーを修理や清掃しなければならなくなった場合、修繕期間中の営業補償として、ドライバーがレンタカー会社に支払うことになる金額を免除してくれる制度です。NOCに加入しないと、事故を起こしたとき、営業補償として約2万~5万円の支払い義務が生じることがあります。
CDWとNOCに加入していれば、事故が起きてもドライバーの支払い義務が免除されるので安心ですが、上記のようにレンタカー会社によっては、免許取得後1年未満はCDWに加入できないなどの条件を設定しています。初心者でも手厚い保証がつけられるレンタカー会社を選びましょう。
当日の流れ
当日は、運転免許証、スマホもしくは携帯電話、クレジットカードを持って予約した店舗に行きます。何人かで交代して運転する予定がある場合は、全員分の免許証が必要です。運転者全員の免許証を提示し、説明を受けて契約書にサインをします。
契約内容を確認したら、係の人と一緒に車の傷を確認します。このとき、小さなへこみや傷まで確認し、指摘しておくようにしましょう。返却時、出発前にチェックしていない傷があると、ドライバーによる損傷と判断されることがあります。
車体チェックが済むと出発です。初めて乗る車種の場合、サイドブレーキやエアコン、カーナビなど、操作の仕方に不安のある機器については、操作方法を出発前に尋ねておきましょう。
返却するとき
レンタカーは借りた店舗に返すのが基本ですが、全国に店舗があるレンタカー会社では、別の店舗に返却できる「乗り捨て」サービスを利用できる場合があります。借りた店舗と同じエリア内であれば、乗り捨て料金が無料になるケースもあるので、予約時に一緒に確認しておきましょう。また、持参したETCカードやCD、音楽プレーヤーなどは車内に忘れやすいので、車を返す前にもう一度チェックしてください。
運転初心者がレンタカーを上手に運転するコツ
レンタカーの運転は、教習車や自家用車とは運転の感覚が異なるので、難しく感じる場合があります。
慣れない車を運転するときの注意点をお伝えします。
車の大きさを外から確認
乗り込む前に車両の大きさを確認しましょう。教習車や自家用車と車体やタイヤの大きさが違うと、狭い道を走ったり駐車したりするときの車幅感覚が変わってきます。特に、普段運転している車よりもレンタカーのほうが大きい場合は要注意です。同乗者に車の隣に立ってもらうと、車幅が把握しやすくなります。
幅だけでなく車高の違いも運転の感覚に大きく影響します。車高によって運転席の高さが変わり、距離感が違ってくるためです。
操作方法を確認
出発前に、車内機器の操作方法も確認しておきましょう。
ウインカーやワイパー、ヘッドライト、ハザードランプ、サイドブレーキ、エアコン、カーオーディオ、カーナビゲーションなどの操作方法は車種によって異なる場合があります。使うときになって慌てないよう、出発前に一通り操作しておくと安心です。
アクセルやブレーキの感覚も車によって異なります。車種による違いだけでなく個体差もあるので、最初は感覚をつかみながらゆっくり走ることをおすすめします。
心と時間に余裕が必要
運転に慣れないうちは、時間に余裕を持って行動したほうが賢明です。スケジュールを詰め込みすぎると、焦ってスピードを出してしまいがちです。初めての場所では道に迷うこともあるので、時間にも気持ちにも余裕を持ちましょう。
例えば、飛行機での移動の後に空港の近くでレンタカーを借りる場合、空港付近の道は複雑で渋滞も起きやすいところが多いため、初心者はさらに注意が必要です。運転に慣れてきたとしても、必要以上にスピードを出さないようにしましょう。
この記事のまとめ
旅行中のレンタカーは土地柄にも注意する
旅行先でレンタカーを利用する場合は、住み慣れた土地とは違った運転のコツが必要になることがあります。例えば、冬の雪国では、凍結防止のために夜間はパーキングブレーキを引かないなど、雪国ならではの運転方法が存在します。
慣れない土地でレンタカーを運転する際には、気候や道の性質、その地域のドライバーの特色など、出発前にレンタカー会社の店鋪で注意点を尋ねておきましょう。何事にも焦らず落ち着いて行動することが、レンタカーで旅行を満喫するための大切なポイントです。