車の試乗って簡単にできるの?予約から当日までのポイントをチェック
車の試乗は、車の販売店やディーラーの多くが実施する無料サービスの一つです。車に試乗すると、コマーシャルの映像やカタログの写真だけでは把握しにくい、実際の車体のサイズ感や色の印象、走行時の振動や運動性能などを確かめることができます。
広告などを見て気になった新型の車に、試乗したことはありますか?自動車メーカーは自社の車の魅力を伝えるために、お客様向けの試乗車を豊富に揃え、試乗の機会を提供しています。
「購入前提でないと試乗できないのでは?」と心配している人も、気軽に一度試乗してみましょう。
今回は、申し込み方法から乗車後の注意点まで、車の試乗にまつわる主なポイントをご紹介します。
車を試乗するにあたって必要な準備
まずは、車を試乗する前に知っておきたい3つのポイントを見てみましょう。
誰と行くかを決める
意見を言い合える「2人以上での参加」がおすすめです。
試乗の際は、ディーラーや販売店の販売担当者が同乗します。ちなみにディーラーとは、特定のメーカーの車を販売・修理するところで、販売店はいろいろなメーカーの車を扱う会社、または個人経営の店です。
自動車販売のプロである担当者は、試乗する車についても豊富な知識を持つ頼れる存在です。
ただ、1人で試乗をするとプロと2人で乗ることになり、客観的な判断を下しにくくなるおそれがあります。
また、家族で使う予定の車を購入する場合は、できれば全員が試乗しておくとよいでしょう。試乗をしていない家族がいると、購入後に不満が出る可能性があります。
試乗の予約を行う
試乗の予約は、各メーカーが用意する専用Webサイトから申し込むのが便利です。
専用Webサイトから申し込めば、希望日時や車種の指定はもちろん、自宅から最寄りの販売店の検索などもできます。
試乗したい車を扱う販売店に、直接電話で問い合わせたり訪問したりして、予約することも可能です。販売店が独自に、試乗を予約できるWebサイトを用意していることもあります。
なお、試乗時にチャイルドシートを借りたいなど特別な要望がある場合は、予約時に対応してもらえるのか確認しておきましょう。
持ち物を確認する
試乗当日は車を運転するので、運転免許証が必要です。指定がない限り、運転免許証以外に必要な持ち物はありません。
ただし、運転免許について視力矯正の条件がつく場合は、眼鏡やコンタクトレンズも忘れずに用意しましょう。
試乗前の車のチェックポイント
試乗前はまず実車の印象を確認してから、運転席で操作できるものを一通り把握しておきましょう。
実物の印象を見る
試乗前にはまず、車体の色やフォルムなど外観の印象を確かめます。
車内に入ったら空間の広さ、収納スペースの大きさ、シートの座り心地、運転席から見える範囲などを確認します。
車の情報を入手する場合は、カタログやテレビコマーシャルが身近な手段です。ただ、写真や動画は実物と印象が違って見えることがあります。特に実物を目にしたときの第一感が大切です。
運転席のポジションを調整する
発車する前に、ハンドル、バックミラーとサイドミラー、シートの位置を忘れずに調整しましょう。的確な位置に調整できていないと、安全面が不安なのに加え、試乗車の運動性能を正確に判断しにくくなります。
また、速度・ガソリン・走行距離といったメーター類の表示の見方、エアコンやオーディオの操作方法も確認しておくと、購入時の判断材料として生かせます。
試乗中のチェックポイント
車を発進させた後は、ドライバーの感じる操作時のフィーリングや、車内の静粛性が大事なチェックポイントです。
操作時のフィーリング
試乗で走行する際は以下の項目を意識すると、その車の印象を振り返りやすくなります。何台か試乗することも想定し、試乗後にメモをとっておきましょう。
・ハンドルを握ったときの印象
・ハンドルを操作するときの重さ
・右左折やカーブ時などの曲がり具合
・アクセルを踏んだときの加速性能
・ブレーキの利き目
車内の静粛性
車内の静粛性のチェックポイントとは、エンジン音が気にならない程度の音量か、高速走行時の風切り音が大きすぎないか、不快な音が出ていないかといった点です。
車は排気量の大きさなどグレードによって静粛性に差があります。
なお、カタログスペックに前席の騒音量が載っている場合は静粛性の目安としてチェックしておきましょう。
特に静粛性が高いと評価される車の騒音量は、時速60キロメートル走行時に65デシベル以下、80キロメートル走行時に70デシベル以下です。
ちなみに60デシベルは普通の会話の音量、70デシベルが騒々しい街頭の騒音や電話のベルの音量です。
試乗して買いたくなったときの注意点
試乗した結果、購入したくなったときに注意すべき点をご紹介します。
その場で購入を決めない
試乗した車を気に入った場合でも、その場で購入を決めるのは避けましょう。
車を購入すると、合計の支払額が数百万円になることも珍しくありません。契約書にサインをした後で購入をやめたくなった場合、自動車の売買契約はクーリングオフの対象外なので、基本的にはキャンセル料の支払いが必要になります。
試乗のあとは一度自宅などに戻り冷静になってから、購入について再検討しましょう。
また、車の購入を決める前には、「別メーカー製の類似モデル」に試乗するのがおすすめです。例えば、A社の5人乗りワンボックスタイプを購入予定の場合は、B社やC社のワンボックスにも試乗すると、それぞれの車の長所と短所を比較でき、考えが変わる可能性もあります。
購入前は同じ車に2回以上試乗する
何台かの車に試乗して比較するだけでなく、同じ車に2回以上試乗することも大切です。1回の試乗ではわからなかった点に、2回以上乗ることで気づくことがあります。
また、できれば日中と夜間の両方の時間帯に試乗しましょう。日中と夜間では、車体の色、各種メーターの見え方など印象の異なる点があります。夜の試乗ではヘッドライトが照らす範囲の確認なども行いましょう。
この記事のまとめ
理想の車選びは、適切な試乗がポイント
試乗をして車の印象や性能を確認するのは、納得できる車選びのための大きなポイントです。
ただ、予約を入れずに販売店に行っても、希望する車種の試乗ができないことがあります。試乗したい場合は事前にWebサイトや電話で予約しましょう。
購入候補が何台かある場合は、「担当者への質問リスト」を作り、試乗後にリストを基にした簡単なレポートを作成すると、比較しやすくなります。準備が整ったら試乗をして、お気に入りの1台を探してみましょう。
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