中型免許・大型免許取得に補助金が出る?教育訓練給付金制度の利用方法
「教育訓練給付金制度」という言葉を聞いたことはありますか?転職やキャリアアップのために教育訓練講座を受講するとき、厚生労働大臣が指定する条件を満たせば、受講料の一部が支給される制度のことです。例えば、中型・大型免許を含む特定の資格を取る場合も、教育訓練給付金制度を利用すると、かかる費用を抑えることができます。
今回は、現在中型・大型免許の取得を検討している人、新しい仕事にチャレンジしたい人に向けて、教育訓練給付金制度の適用条件や利用方法などをご紹介します。
教育訓練給付金制度とは?
教育訓練給付金制度についてよく知らないという人のために、まずは制度の概要と教育訓練給付金を受け取るための条件をお伝えします。
教育訓練給付金制度とは
教育訓練給付金(一般教育訓練の教育訓練給付金)制度とは、厚生労働省資格取得を目指す人が専門学校や通信教育などを活用した場合、入会金や受講料などで自己負担した経費の20パーセント(上限10万円)を、国が負担してくれる制度です。
働く人の能力開発を主な目的とし、知識やスキルの習得、キャリアアップのために資格の取得を目指す人を支援します。
厚生労働省「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索ページ」
https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/SCM/SCM101Scr02X/SCM101Scr02XInit.form
専門実践訓練給付金
より専門的な教育訓練を受講する際には、自己負担した経費の40パーセント(年間上限32万円)の給付を受けることができます。
さらに、受講の終了日から1年以内に資格を取得し、正社員や正職員、または一定の基準を満たしているパートタイム労働者として雇用された場合は60パーセント(年間上限48万円)の給付を受けられる、「専門実践教育訓練の教育給付金制度」を活用すると良いでしょう。
専門実践教育訓練の給付金を受けられる期間は、原則2年(最大3年)です。
※この専門実践訓練給付金制度は運転免許取得ではご利用できません。
①業務独占資格または名称独占資格の取得を訓練目標とする養成課程(看護師、美容師、歯科衛生士など)
②専修学校の職業実践専門課程(衛生関係、商業実務、自動車整備など)
③専門職学位課程(ビジネス・MOTなど)
④大学等の職業実践力育成プログラム(特別の課程(保健)、特別の課程(社会科学・社会)など)
⑤一定レベル以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とした課程(情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリストなど)
⑥第四次産業革命スキル習得講座(AI、データサイエンス、セキュリティなど)
が対象となります。
厚生労働省「専門実践教育訓練指定講座一覧(令和3年4月1日指定)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11804000/000732233.pdf
給付金の支給条件
一般教育訓練の教育訓練給付金の支給を受ける対象となるのは、支給要件期間(一般被保険者や短期雇用特例被保険者として、同じ事業者に連続して雇用された期間)が3年以上ある、雇用保険の一般被保険者です。また、前回教育訓練給付金を受け取ってから、今回の受講開始日前までに3年以上経過している必要があります。
2014(平成26)年10月1日以降に初めて教育訓練給付金制度を利用する人は、支給要件期間が1年以上であれば支給を受けることができます。
在職中であっても離職後でも給付を受けることができますが、離職後の場合は、離職日の翌日から1年以内に受講を開始する必要があります。
専門実践訓練給付金の支給条件
専門実践教育訓練の教育給付金を受ける対象となるのは、専門実践教育訓練の受講を開始するまでに支給要件期間が10年以上ある雇用保険の一般被保険者です。離職している人の場合は、10年以上の支給要件以外に、離職した翌日から1年以内に専門実践教育訓練の受講を開始する必要があります。
ただし、初めて教育訓練給付金を受ける人は、支給要件期間が2年以上あれば問題ありません。
専門実践教育訓練の教育給付金が開始された2014年10月1日より前に教育訓練給付金を受給した人の場合、講座の受講開始日までに通算2年以上の支給要件期間を有している必要があります。
2014年10月1日以降に教育訓練給付金を受けた場合は、前回の受講開始日から次の教育訓練の受講開始日前まで、10年以上の雇用保険被保険者期間を有している人が対象です。
※前回の教育訓練給付金の受給から次の受講の開始日前までに、10年以上経過していない場合は対象外
教育訓練給付金制度の利用方法
教育訓練給付金を利用するには、どのような手続きが必要なのでしょうか。申し込みから実際に給付金を受け取るまでの手順をご説明します。
ハローワークで支給資格の照会
教育訓練給付金制度を利用するためには、受講を開始する1カ月ほど前にハローワークへ行き、申請手続きをする必要があります。「教育訓練給付金支給要件照会票」に必要事項を記載し、教育訓練給付金を受ける資格があるかどうか問い合わせましょう。
また、受講予定の講座についても、給付金制度の対象であるかどうか、確認しておいたほうが安心です。受給の要件を満たしていれば、「教育訓練給付金受給資格者証」を受け取ることができます
入所手続き
厚生労働省が指定する講座を開講している専門学校や通信教育機関などで入所の手続きを行います。その際、教育訓練給付金制度を利用する旨を伝え、必要書類の作成を依頼しておきましょう。
講習開始
講習が開始されたら、資格取得を目指して勉強します。講習にかかる費用は、一旦自己負担し、後から給付金を受け取ることになります。
教習所卒業(修了)
指定講座の受講が修了したら、講座を受講していた指定教育訓練校から、「教育訓練給付金支給申請書」と「教育訓練修了証明書」、講座受講料の領収書を交付してもらいます。
ハローワークで給付金の申請手続き
受講が修了した翌日から1カ月以内にハローワークへ行き、教育訓練給付金の申請を行います。その際に、指定教育訓練校に作成してもらった書類と離職票、または雇用保険受給資格者証、本人確認証を提出します。
給付金の支給
ハローワークの審査に通れば、教育訓練給付金を受け取ることができます。
「合宿免許スクール」の教育訓練給付金制度実施校
中型車や大型車などの運転免許を取得するときも、教育訓練給付金制度を利用できます。ここでは、「合宿免許スクール」の教育訓練給付金制度実施校をご紹介します。気になる教習所があったら、特定のページで確認してみてください。
この記事のまとめ
中型・大型免許の取得には、教育訓練給付金制度の活用を
教育訓練給付金制度を活用すれば、中型・大型免許をお得に取得することができます。利用方法も難しくないので、興味がある人や疑問点がある人は、早めにハローワークへ相談しましょう。
中型・大型免許を取得すると、就職の幅が広がる可能性があります。「今の仕事にやりがいを感じない」「何か新しいことにチャレンジしたい」「転職活動があまりうまくいっていない」という人は、今後のキャリアアップのためにも、教育訓練給付金制度を上手に利用し、資格取得を目指してみてください。